アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の「BIRDMAN」です。
新しい映画なので御覧になった方も多いかと思いますが、まだ観てない
方に向けておすすめしたいと思い紹介させていただきます。
あらすじは「バードマン」というヒーローものを演じて成功したのち、
60歳で俳優としての評価を取り戻そうとブロードウェイのシリアスな
舞台芝居に挑戦するというお話です。演目は村上春樹も翻訳している
レイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語る事」を
戯曲化したものです。
特筆すべきは、ほとんどのシーンが1カットで撮影されている事です。
長いセリフに加えて計算されたカメラワークと繊細に配置された役者の
立ち位置やポーズなど様々な要素を組み合わせた超絶技巧のようです。
BGMが一つのドラムの音だけで構成されていて、シーンの中にも
ドラマー自身が登場するのですが、ストリートでドラムを叩いていた男
が別のシーンでは何故か劇場の給湯室でドラムを叩いていたり、主人公
の男が何故か超能力が使えたり等々、虚構と現実が溶け合った展開で
進んでいきます。主人公が精神を患い妄想と現実が並列に見えている
状況をより自然に表現するために1カットの手法で撮影が行われたようです。
そしてこの映画に出演している役者達も過去に実際ヒーローもの映画に出演
しているという事実もおもしろいところです。DVD出てますので機会が
ありましたら是非御覧ください。
roma 道又 貴之